本
父を亡くしたばかりの10歳の少女・章子のもとに、30歳の自分が書いた未来からの手紙が届く、という印象的な幕開け。 登場人物の独白や手紙という形で一人の目線での記述が複数組み合わさることで真実があらわになっていくという湊かなえらしい手法が相変わら…
「日の名残り」を読んだのはもうだいぶ以前だがとても面白かったので読もうと思っていたカズオ・イシグロの作品。 話題になっていた当時にちょっとネタバレを踏んでいたため、まだ状況が明かされない前半部分については感じ方が随分違っただろうなと思うがそ…
久しぶりに貴志祐介の作品を読んだ。 蜂アレルギーを持つ主人公が閉ざされた山荘で蜂に襲われるように仕組まれた事件。 おどろおどろしい連続殺人事件というような話ではないのだが貴志祐介らしくスリリングな展開でなかなか読まされる。雀蜂 (角川ホラー文…
ミステリ短編集。気楽に読めてそれなりに楽しい。 微妙に意味が分からないものもあったがそれは私の理解力のせいか。 ちなみにタイトルはミステリの古典「九マイルは遠すぎる」へのトリビュート。 大松鮨の奇妙な客 においます? 私はこうしてデビューした …
青心社のクトゥルー暗黒神話体系シリーズ>、一気に読んでしまうのもったいなくてちみちみ読んでいたのだが、プレミア価格のため未入手の12巻を除いて足掛け4年でついに最終巻13巻を読了。 本家ラヴクラフトだけでなく神話体系を形作っていった様々な作家の多…
有吉佐和子作品は唯一「開幕ベルは華やかに」しか読んでいないのだがこれがとても面白かった。ということで他作品も読んでみようと思って手に取ったのがこれ。 「開幕ベルは華やかに」は、一見華やかに見える舞台の裏の生々しい人間模様と、上演と同時に進行…
さまざまな種族の生命体がインプラントされた装置で相互にコミュニケートすることで平和に共存・繁栄するネットワーク宇宙において、その邪悪さから加盟が許されず排除・滅ぼされた唯一の種族が「人類」という超未来の銀河社会。他の種族にたまたま保護され…
宝石の名前がタイトルになっている短編集。 湊かなえらしくとても面白く読んだ。サファイア (ハルキ文庫)作者:湊かなえ角川春樹事務所Amazon
久しぶりに読んだキングの新作。 王道の超能力者もの。ハラハラドキドキで一気読み。 超絶のリアリティ、青春、勇気。 傑作。 ちなみに原題は「The Institute」でとてもシンプル。異能機関 上 (文春e-book)作者:スティーヴン・キング文藝春秋Amazon異能機関 …
池井戸潤の本で今までハズレはなかったが今回もとても面白くて一気読み。 境遇の全く異なる2人の「あきら」がバンカーとして活躍する。超優秀なライバル同士の戦いと友情が展開される読み応えのある青春ストーリー。きっといつか読み返したくなる本。 どうで…
「不思議の国の少女たち」3部作の第3作。 この作品は第1作からの続きになっているので1作目を読む必要あり。 読み始めたときにあらこんな展開で3冊目が始まるとはと驚かされた。 この世界観とキャラ達はもっと活かせそうなのにもったいな、と当初から思って…
「不思議の国の少女たち」3部作の第2作目。 1作目の中でも存在感のあったジャクリーンとジリアン姉妹が異世界へ行った時の冒険譚。つまりは1作目の前日譚の位置づけ。 1作目を読んでいなくてもあまり気にせず単体でも楽しめる形になっている印象。 ダークな…
不思議の国のアリスのように不思議な異世界を冒険した少年少女たちはその冒険から帰ったあとにそれまでの日常生活に戻れるのか。 たとえその時は切望して冒険から帰ってきたとしてもやがてその世界に戻りたいと普通の暮らしから逸脱し異世界への扉を探し始め…
経営学のおべんきょう。 膨大なデータを収集・分析した上での様々な考察が鋭い視点で分かりやすく論述されていて読み物としても面白く短期間で読了。 ドラッカーは読む人を鼓舞し勇気づけるような「名著」という印象があるのに対して、コリンズのこのシリー…
阪神淡路大震災に絡んでトンガ王国で繰り広げられる人間模様の短編連作。湊かなえ地震の震災経験を踏まえてのものらしい。いやミスではないがなかなか重たいお話。絶唱作者:湊 かなえ新潮社Amazon
銀行の融資担当にまつわる短編集。 いつもながら読まされてしまう人間模様。かばん屋の相続作者:池井戸 潤文藝春秋Amazon
筒井康隆の短編集。2015年に出版されたものだが文庫化されて私の目に入ったのはつい先日。認知症の老人の一人称語りの「ペニスに命中」がインパクト強いが他の作品も筒井節が効いて面白い。「カラダ記念日」を彷彿とさせる「三字熟語の奇」は何か法則性があ…
英語に慣れるために好きな本を原書で読んでみよう、という思いつきに浮かれて「じゃあ次何読んでみようかなぁ」といろいろ考えて買った本。 タニス・リーの「VOLKHAVAAR」(邦題「幻魔の虜囚」)。浅羽莢子の名訳で印象的なシリーズとは違う独立した世界の作…
タイトルに魅かれて読んでみた。 零細設計事務所に舞い込む「欠陥案件」を見取り図をベースに見事解き明かしていく、という建物ミステリ。基本的なアイディアはインパクトがあって良いのだが、主人公で大工の環奈と社長で設計士そして探偵役の半間との掛け合…
中堅メーカー東京建電のパワハラ事件から徐々に浮かび上がるその背景。池井戸潤らしい話だがやはり面白くて一気に読んでしまう。ネジって大事。
経営学のお勉強。 タイトルの「ビジョナリー」は「先見性」や「未来志向」を意味している。 以前読んだドラッカーの解説本の中で関連書籍として強くおススメされていたのが「ビジョナリー・カンパニー(2)」であり、いきなり(2)を読むよりは最初から読みたい…
先日の芝居で紀伊國屋に行った時に洋書コーナーを散策し入手した一冊。 自分の脳内に英語の言語野を作るには、辞書と首っぴきで難しい文章を訳しながら読むのではなく、まずは簡単な文章でなるべく集中的に英語とイメージが結合して頭に浮かぶ読み方ができる…
ライブ行くまで時間があったので図書館で読書。 小林泰三の短編集。 目を擦る女 超限探偵Σ 脳喰い 空からの風が止む時 刻印 未公開実験 予め決定されている明日 刻印は蚊の話。強烈。 他の話も小林泰三らしい独特なもので感心。好き。 他の作品も読まねば。…
「十年後の卒業文集」「二十年後の宿題」「十五年後の補習」「一年後の連絡網」すべてが手紙のやり取り形式の中編集(「一年後の連絡網」は「十五年後の補習」のおまけみたいなものなので実質3篇)。 湊かなえといえば「嫌ミスの女王」と冠されて嫌ミス嫌い…
話題になっていたころから読みたいと思っていたパウロ・コエーリョ。初めて読んだ。 羊飼いの少年サンチャゴが夢に出てきた宝を探しにピラミッドへ旅する物語り。 解説やらなにやらにスピリチュアルというキーワードが出てきて何となく手を出しづらくなって…
米澤穂信のミステリ短編集。 粒ぞろいの傑作が6編集まって非常に楽しめた。満願(新潮文庫)作者:米澤穂信新潮社Amazon
海外勤務が決まったわけではないけど読んだ本。 最近やっぱり英語できた方が良いよなと思うところがあって、実用的な英語力をつけるためにはどうすれば良いか模索中。 この本は単に英語学習ではなくて日本以外のビジネスの場で考えるべきことがいろいろ書い…
popoyansのnon-chanが家族との生活をテーマに描いたエッセイ。現在でも必ず毎日書いているWeb日記から2016年〜2020年の範囲を抽出して再構成したもの。 こうありたいという理想や想いに対してなかなかうまく行かない家族との暮らしや出来事が淡々と綴られて…
イノベーションと企業家精神【エッセンシャル版】作者:P.F.ドラッカーダイヤモンド社Amazon経営学のお勉強。 イノベーションについての考え方や経営哲学が熟考のうえ整理されて述べられていて非常に参考になる。「マネジメント」もそうだったが金儲けのため…
ボトルネック(新潮文庫)作者:米澤 穂信新潮社AmazonパラレルワールドSFとミステリを融合させて描き出される青年の苦悩のストーリー。米澤穂信が書けるようになるまで温めていたアイデアというだけあって人の生き方について深く考えさせられる印象的な作品。