本と鍵の季節/米澤穂信

久しぶりに読んだ米澤穂信作品。 高校の図書委員を務める2人の男子の物語。連作短編でミステリ的にも男2人の友情青春ストーリー的にも惹きつけられる。面白かった。本と鍵の季節 (集英社文庫)作者:米澤穂信集英社Amazon

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎夏海

という事でドラッカー入門の2冊目に読んだのが数年前にかなり話題になったこの「もしドラ」。 話題になっただけあってまず青春ストーリーとして印象的。最初の頃は設定の状況説明やキャラの書き込みが少なくて「まあドラッカーの世界を説明するための単なる…

人生を変えるドラッカー/吉田麻子

いわゆる経営学、マネジメント系の本は今まであまり読んだ事がなく、今年はちょっと自己啓発として取り組んでみるかと重い腰を上げた。とはいえ世の中には膨大な本が出ていて何を読めば良いかさっぱり分からない。軽く調べると真っ先に出てくるのがドラッカ…

クトゥルー 11/ロバート・ブロック他

「深淵の恐怖」ロバート・W・ロウンデズ 「知識を守るもの」リチャード・F・シーライト 「暗黒の口づけ」ロバート・ブロック & ヘンリイ・カットナー 「窖に潜むもの」ロバート・ブロック 「狩りたてるもの」ヘンリイ・カットナー 「蛙」ヘンリイ・カット…

光/三浦しをん

突然の津波で数人を残して壊滅したとある島の住人の物語。 筆力のある三浦しをんがひたすら陰鬱に描く。ダーク。 光 (集英社文庫)作者:三浦 しをん集英社Amazon

クトゥルー 10/H.P.ラヴクラフト他

クトゥルー (10) (暗黒神話大系シリーズ)作者:H・P・ラヴクラフト青心社Amazon

クトゥルー 9/H.P.ラヴクラフト他

ちびちびゆっくり読み進めている青心社のクトゥルー神話シリーズ第9弾。 このシリーズは本家ラヴクラフト以外の多くの作家の作品が集められていることも大きな魅力。今回も様々なストーリーが盛り込まれていて興味深い。ただ今回は最後に収録されたラヴクラ…

街角の書店 (18の奇妙な物語)/中村融・編

とは江戸川乱歩の造語だそうだ。言い得て妙。私が大好きなジャンルはまさにこれ。 編者の中村融のあとがき冒頭にアンソロジーを編むことに関して記載されている。 「作品の選び方は大事だが、作品の並べ方はそれ以上に大事である」 あとがきによると編者がこ…

金融探偵/池井戸潤

失業中の元銀行員・大原次郎が就職活動に苦しむ中でたまたま受けたいろいろな相談を解決していく短編集。バリエーションに富んだ内容で感心。非常に面白く読んだ。 この中の「眼」という話は、角膜移植がテーマなのだが絶対以前読んだことがあるプロットで、…

株価暴落/池井戸潤

池井戸潤らいしい銀行を舞台にしたサスペンス&ドラマ。おもしろくて一気読み。株価暴落作者:池井戸 潤文藝春秋Amazon

海を見る人/小林泰三

小林泰三のSF短編集。 分類としてはハードSFだが描かれるストーリーはロマンチックで哀愁に満ちている。 ハードSFとしてのセンスオブワンダーとのバランス感も良く、久しぶりに飛浩隆のような日本人離れしたストーリーテラーとしてのセンスを持った作家だな…

湖畔の愛/町田康

九界湖の畔に建つホテルにまつわる3遍。 町田康節全開の上機嫌で饒舌な語りで引き込まれる。 方向は違うのだが筒井康隆を想起する文体だなと感じる。 嫌いじゃない。湖畔の愛(新潮文庫)作者:町田康新潮社Amazon

心のナイフ(混沌の叫び1)/パトリック・ネス

図書館のヤングコーナーを物色して読み始めたシリーズ第1部。 開拓移民した惑星で感染した「ノイズ菌」によって女性が死に絶え、男性は自分の思考が周囲に漏れ伝わるようになってしまった世界の話。動物もつぶやく。 なかなかダークで重たい展開だがジュブナ…

高野聖・眉かくしの霊/泉鏡花

泉鏡花をちゃんと読むのは初めて。 時代が違うので文章が固くて読みづらい印象でなかなか手が出なかった。 でも今回読んでみてその印象はかなり改善された。むしろこの文体がますます味わい深く、独特で幻想的な世界を作り出しているようで、のめり込むよう…

オジいサン/京極夏彦

京極夏彦の妖怪ものでない連作集。 70歳を超えた独身男性のモノローグで人間の老いについて赤裸々に浮かび上がらせる。滑稽だったり切なかったり。思考があちこちとんだり戻ったり忘れたり、饒舌なのに一貫性がない感じが老いをリアルに実感する。なかなか面…

クトゥルー 8/H.P.ラヴクラフト他

青心社のクトゥルー集8冊目。 久しぶりにラヴクラフトの「インスマスを覆う影」を読んだけどやっぱり傑作だな!クトゥルー〈8〉 (暗黒神話大系シリーズ)作者:H.P. ラヴクラフト青心社Amazon

増山超能力師事務所/誉田哲也

増山超能力師事務所 (文春文庫)作者:誉田哲也文藝春秋Amazon武士道シリーズがなかなか面白かったので手を出してみたのだが、何というか意外なほど面白くなかった。武士道シリーズでは2人の主人公のモノローグで心の機微を繊細に描き出していたのにこの作品で…

クトゥルー7/H・P・ラヴクラフト他

様々なクトゥルー作家の作品8篇。 収録されているのは「星から訪れたもの」「闇をさまようもの」「尖塔の影」「永劫より」「アッシュールバニパルの焔」「セイレムの恐怖」「イグの呪い」「閉ざされた部屋」。 ひとつひとつは何気ないものもあるが、クトゥル…

クトゥルー6/ラヴクラフト&ダーレス

以前まとめて買い込んでしばらく読むのを中断していた青心社のシリーズ。6冊目を読了。 「恐怖の巣食う橋」「生きながらえるもの」「暗黒の儀式」の3遍で全てラヴクラフトとダーレスの共著名義。あんまり立て続けに読むとマンネリで飽きてしまうが、久しぶり…

まほろ駅前狂想曲/三浦しをん

まほろ駅前シリーズ第3作にして完結編。 無農薬野菜を生産・販売する謎の団体にまつわる騒動とその顛末。 まほろワールド完成度高し。面白かった。まほろ駅前狂騒曲 (文春文庫)作者:三浦 しをん文藝春秋Amazon

勝手にふるえてろ/綿矢りさ

中学時代の片想いのイチと、会社の同期で積極的にアタックしてきたニ。2人の狭間で揺れる主人公ヨシカの内面世界が瑞々しい感覚で溢れて来る。勝手にふるえてろ (文春文庫)作者:綿矢 りさ文藝春秋Amazon

死にぞこないの青/乙一

新任の先生が原因で不当なイジメにあう主人公の少年の独白。徐々に出来上がるイジメの構図が生々しく空恐ろしい。ホラーテイストだが本質はちょっと違うのかなと感じる作品。死にぞこないの青作者:乙一幻冬舎Amazon

ついてくるもの/三津田信三

ついてくるもの (講談社文庫)作者:三津田信三講談社Amazon

脳髄工場/小林泰三

小林泰三を読むのは2冊目。今回も非常に面白く読んだ。素晴らしい。脳髄工場 (角川ホラー文庫)作者:小林 泰三KADOKAWAAmazon

首七つ/ひろのみずえ

首七つ作者:ひろの みずえ大日本図書Amazon

羊をめぐる冒険/村上春樹

僕&鼠シリーズ第3作。 1、2作目に比べるとタイトルの「冒険」の文字どおり、ストーリーに明快な展開があって読みやすい印象。大小の謎が散りばめられ飽きさせない。一気に読まされてしまった。 ただこれがなぜ青春3部作と呼ばれるか今の所わたしには腑に落ち…

フリオ・コルタサル/奪われた家/天国の扉 動物寓話集

コルタサルの短編集。解説によると本作が「真の処女作」だそうだ。 他のアンソロジーなどで最初の2篇「奪われた家」「パリへ発った夫人への手紙」は既読。両方とも奇妙で心が不安になる不思議な味わいで大好きな作品。訳者が違うと作品の印象が変わる事があ…

マッドボーイ・シリーズ/辻真先

朝日ソノラマ文庫で読んだ辻真先のSF作品の双璧のもう一方はこれ。マッドボーイ・シリーズ3部作。三枚目で恋人も作れない恭太=マッドのボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー。 テレビマンの辻真先のユーモアたっぷりの固有名詞設定でニヤリとし、ロボットのリ…

株式学園の伝説シリーズ/辻真先

朝日ソノラマ文庫は今で言うところのライトノベルの走りで私も随分と読み漁った。その中で辻真先はポテト・スーパーシリーズで推理小説の面白さを開眼させられた感が強いが、この株式学園の伝説シリーズ3部作と、マッドボーイ・シリーズ3部作のSF作品も大好…

1973年のピンボール/村上春樹

僕と鼠シリーズ第2段。 相変わらずストーリー的な面白さはよく分からないが、最初読んだ時より慣れたのか、何やら言葉にうまく表せない面白さをそこはかとなく文章の塊の中に感じるようになってきた。豊饒な言葉と高いエントロピーで内的世界を無限に押し広…