桐島、部活やめるってよ/朝井リョウ

映画化されて知った本。タイトルがインパクトあって期待して読んだ。 様々な登場人物のそれぞれのエピソードが緩やかに重なり合いながらも基本はバラバラ。それをぐっと適度な距離感でまとめ上げるのがこのタイトル。 全然違うかもだけど、この感触は「ゴド…

陰日向に咲く/劇団ひとり

読み始めた当初はちょっと素人っぽい文章でイマイチかなあと感じたが、読み進めていくうちに違和感は薄れて楽しむことができた。一つ一つの話が別の話と微妙に重なり合い不思議なカタルシスがある。まあまあ。陰日向に咲く (幻冬舎文庫)作者:劇団ひとり発売…

武士道ジェネレーション/誉田哲也

武士道シリーズ第4弾。 最初の3作で高校3年間を描いたわけで、本作はその後日談的なエピソードとなっている。さすがにこれで完結なのかな。人種や歴史観的な主張が織り交ぜられた部分が個人的にはあまりストーリーにそぐわない感じを受けてしまったが、シリ…

リピート/乾くるみ

好き嫌いが大きく分かれるらしいが乾くるみの「イニシエーションラブ」がなかなか面白かったので次作を読んでみた。今回は意外にももろSF設定の、しかも時間遡行テーマ。 ケン・グリムウッドの「リプレイ」を下敷きにしているのは作中で説明があり、10ヶ月前…

武士道エイティーン/誉田哲也

剣道青春もの3冊目。高校3年で一旦お話としては区切りとなるか。 主役二人を中心にそれぞれのモノローグが交互に出てくる形式を基本に、今回はその周辺の人々のモノローグも入れてきて、小説世界がより広がって区切り感を強く感じる。スポ根漫画のような異様…

高校入試/湊かなえ

一流進学高の入試を舞台にしたミステリ。 「入試をぶっ潰す」などと書き込まれていく裏サイトの模様と、学校教師たちそれぞれのモノローグが緊迫感とリアルな同時性を感じさせる。 ただ登場人物が多く特に何人かの教師たちは記憶に残らず毎回冒頭の人物構成…

武士道セブンティーン/誉田哲也

シックスティーンに続く2作目。 前作と同様に2人の主人公の一人称で交互に物語が紡がれてゆく。 人との繋がりの優しさが胸に染みるお話。 さて、次作エイティーンでは三年生、部活最後の一年が描かれると思われる。楽しみ!武士道セブンティーン (文春文庫)…

夜行観覧車/湊かなえ

最近お気に入りの湊かなえ。 高級住宅街「ひばりヶ丘」で起きた夫婦間の殺人事件。理想形に思えた家族とその向かいに住む2家族の人間模様が描かれる。 衝撃な展開はないがやっぱり一気に読まされてしまった。夜行観覧車 (双葉文庫)作者:湊かなえ発売日: 202…

武士道シックスティーン/誉田哲也

先日読んだ有川ひろのエッセイ集で言及されていてちょっと面白そうかなと思って手に取った。剣道に青春をかけてのめり込む2人の女子高生。スポコンの王道的設定だが、1人は子供の頃から剣道一筋のエリート、もう1人は日本舞踊を習っていたが事情で剣道を習い…

果つる底なき/池井戸潤

池井戸潤のデビュー作。銀行ミステリ&ハードボイルド。 テンポよくぐいぐい引き込まれる感じで一気に読まされた。果つる底なき (講談社文庫)作者:池井戸潤発売日: 2017/03/31メディア: Kindle版

倒れるときは前のめり/有川ひろ

有川浩が有川ひろに改名。 2000年前半くらいからの雑誌等へ掲載したエッセイが主に収められている。また最後に短編が2篇集録。 エッセイは初めて読んだのだが有川ひろの考え方や主張がすぱっと良い切れ味で描き出されていて読んでいて気持ち良い。 短編二編…

星の王子さま/サン=テグジュペリ作、内藤濯訳

星の王子さまってどんな話だっけ?と急に気になって読んでみた。訳者が違ういろいろな版があるが、日本に広まるきっかけともなった由緒正しい内藤濯氏の歴史的名訳の岩波文庫版を選択。 訳者あとがきや訳者の息子である内藤初穂による備忘録がこの物語のさま…

ゴランノスポン/町田康

町田康を読むのは4、5冊目か。 文体から溢れ出る内なるとエネルギーと圧力の高さは相変わらずやなあと思う。歌ってる時と本質変わらんというのが正直なところ。圧倒される。 ゴランノスポンという語感良いね。解説見て初めて何のことか分かったけど、全く意…

阿刀田高/最後のメッセージ

阿刀田高のショートショート集。高レベルを維持していて安心して楽しめた。新装版 最期のメッセージ (講談社文庫)作者:阿刀田 高発売日: 2009/01/15メディア: 文庫

玩具修理者/小林泰三

1996年の第二回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作の「玩具修理者」と、中編「酔歩する男」の二編。 小林泰三の小説を読むのは初。 当時ちらりと書評を見かけた時これは「クトゥルー神話」の系譜だと書いてあり、クトゥルー神話ファンの私的には「適当に世界観…

よもつひらさか/今邑彩

サスペンス、ホラー、ファンタジーの短編集。 今邑彩の著書を読むのはたぶん初めてだが、読みやすいしヒネリが効いていてかなり楽しく読むことができた。乙一や阿刀田隆のような雰囲気か。 別の作品も読んでみたい。よもつひらさか (集英社文庫)作者:今邑 彩…

イニシエーション・ラブ/乾くるみ

甘々な恋愛もの。 と見せかけておいて、えっ!!どゆこと!?と驚かされ、読んだ直後に最初から読み返し始めること請け合い。賛否両論あるようだが私は全然ありで面白かった。 解説でネタバラシしているが、明確な記述を避けてセンスを感じたのも印象に残っ…

蹴りたい背中/綿矢りさ

「インストール」が今ひとつピンとこなかった綿矢りさ。今回これを読んでみたら面白かった。 新しい学校生活になじみ切れず孤立する女子高校生と、似た境遇に見えるアイドルオタクの同級生の男子の奇妙な交流。 孤立している点は似ているが実は対象的な二人…

贖罪/湊かなえ

湊かなえの第3作。「告白」と雰囲気近く、登場人物の告白が続いていく形。でもなかなか面白く読めた。贖罪 (双葉文庫)作者:湊かなえ発売日: 2020/06/08メディア: Kindle版

夜市/恒川光太郎

第12回日本ホラー小説大賞受賞作品で第134回直木賞の候補作にもなったというタイトル作「夜市」と、書き下ろしの「風の古道」の中編2作からなる中編集。 恒川光太郎の作品は初読。角川ホラー文庫から出ているがあまりホラーという感じはしない。この世のも…

少女/湊かなえ

読後イヤな気持ちになる「イヤミス」の名を広めた湊かなえ。「告白」に続く2冊目。 人の死を見てみたいという気持ちに取り憑かれたふたりの女子高生の夏休みの記録。それぞれの思惑でひとりは老人ホームのボランティア、もうひとりは病院での読み聞かせ慰問…

インストール/綿矢りさ

だいぶ前から読んでみたかった綿矢りさ。初読。 当時だいぶ話題だった記憶があるが私的にはあまりピンと来ず少々残念。若々しい感性が滲む文章で好感は持てるが何というか深みを感じず読後に何か残るものがない感じ。 なんとなく勝手な印象でよしもとばなな…

殺人鬼 覚醒篇/逆襲篇/綾辻行人

ホラー小説読みたくて読んでみた。 覚醒篇はいかにも綾辻行人らしい話である意味納得。逆襲篇は続編て感じ。 どちらにも共通するのは、残酷描写がキツすぎる事。筆力を存分に発揮してこれでもかというくらいあの手この手で生身の人間の身体と精神をぐしゃぐ…

姉飼/遠藤徹

2003年の日本ホラー小説大賞の大賞受賞作品。 近親相姦的世界を思わせるタイトルだが、この「姉」というのが縁日の見世物小屋で見世物になるような一種の怪物的な生物=人間を指している。串刺しにされた痛みに叫び、凶暴で迂闊に近づくと肉を噛みちぎられる…

告白/湊かなえ

2009年の本屋大賞受賞作品。 学校教師のモノローグから始まり、関連する登場人物のそれぞれのモノローグが続いて一つの大きなストーリーが展開される。それぞれの章がそれぞれ読後感が悪く、結果として当然本全体の印象も良くなるわけもなく、ひたすらいやー…

粘膜人間/飴村行

2008年の第15回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作品。 タイトルが異様だしチラ見した評判も「発想が凄い」的な感じで期待して読んだのだが、私的には、うーんちょっと肩透かしだったかなあという感が否めない。 一番の問題は「粘膜人間」っていう特殊キャラが…

三匹のおっさん ふたたび/有川浩

三匹のおっさん第二弾。 おっさんが活躍する。痛快なパワーと人情の深さは変わらず一気読み。楽しかった。三匹のおっさん ふたたび (新潮文庫)作者:有川 浩発売日: 2015/01/28メディア: 文庫

巴里マカロンの謎/米澤穂信

なんと11年ぶりのシリーズ新刊。 4つの緩やかに繋がった短編集。 春夏秋ときたから最後は冬で綺麗に締めるのかと思ったら何故か今回は4つの短編のタイトル冒頭を都市の名前で揃えてきた。 「巴里(パリ)マカロンの謎」「紐育(ニューヨーク)チーズケーキの謎」…

蜜蜂と遠雷/恩田陸

恩田陸がついに獲った直木賞受賞作品。 ピアノコンクールに挑む若き天才たちの戦い。非常に面白くて一気に読んでしまった。 音楽を言葉でこれだけ表現して読む人の内面にイメージさせるのは並大抵の筆力ではない。恩田陸さすが。 次のどんなことが起こるのか…

三匹のおっさん/有川浩

3人のおっさんが街の自警団を結成し自らの特技を活かして様々な事件を解決していく痛快物語。高齢者がその経験と知識で対応にあたる様は安定的で心強く、自分も歳を取るならこうありたいと思わせられる。 孫世代の祐希、早苗のエピソードが瑞々しく、もう一…