不思議の国の少女たち/ショーニン・マグワイア

不思議の国のアリスのように不思議な異世界を冒険した少年少女たちはその冒険から帰ったあとにそれまでの日常生活に戻れるのか。
たとえその時は切望して冒険から帰ってきたとしてもやがてその世界に戻りたいと普通の暮らしから逸脱し異世界への扉を探し始め、親たちは必死にそれを忘れさせ矯正しようと奔走して疲弊して最後の手段としてそれを治療するための特別学校へ入学させる。この話はそのような子供たちが集められた学校で起きる事件と展開を物語っているという点でなかなか印象的。ヒューゴー、ネビュラ、ローカスのトリプルクラウン獲得はやはりその着想の独創性が大きいと思われる。肝心の中身はまあまあというところか。入れ物のコンセプトは面白いがその中で動くキャラクタや設定をもうすこしバランスよく広げられそうなところが惜しい感じ。3部作ということなので残り2冊でどうなるか楽しみ。