架空通貨/池井戸潤

2000年3月に出版され2001年の吉川英治文学新人賞の候補となった作品(「M1」改題)。
教師が教え子の父親の会社の経営破綻の謎を追ううちに一つの街を巻き込む大きな黒い事件に巻き込まれていくお話。
銀行や金融の世界に詳しい池井戸潤だからこそ書ける圧倒的なリアリティで分厚いながらあっという間に読まされてしまうエンターテイメント性の高い作品。
教え子の女子高生のキャラが目立たないのと主人公辛島の行動に納得性を持つだけの背景書き込みが若干弱い印象もある。
とはいえ一言でいえば圧倒的に面白い。さすが池井戸潤
架空通貨 (講談社文庫)