たまごの旅人/近藤史恵

新米の海外ツアーコンダクターが頑張る話。
アイスランドクロアチアスロベニア、パリ、西安へ赴く章立てとなっていてそれぞれ具体的な見どころが物語の中で展開されるので実際に行ってみたくなる。
ツアーにはトラブルがつきものだが、引率するツアー客のクレーム的な「嫌な話」が毎回あって少し読むのが億劫になる面もあるが、実際のツアーコンダクターはきっともっと大変なんだろうな、と思って思わず嘆息してしまった。コロナ禍の発生もストーリーに組み込まれていて、フィクションの形ではあるが史実を具体的に伝えるコロナ禍文学ともいえるかもしれない。
たまごの旅人