株式学園の伝説シリーズ/辻真先

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朝日ソノラマ文庫は今で言うところのライトノベルの走りで私も随分と読み漁った。その中で辻真先はポテト・スーパーシリーズ推理小説の面白さを開眼させられた感が強いが、この株式学園の伝説シリーズ3部作と、マッドボーイ・シリーズ3部作のSF作品も大好きだった。
急に読み返したくなって古本を入手。面白かったと言っても小学校か中学校の頃の記憶なので、今読んでもイマイチかもと微かな不安と共に読み始めたのだけれど。


今読んでも面白い。
硬派な番長五郎がある日突然彼が想いを寄せる美少女桜子の身体になってしまうというお話。ジュヴナイルSFにありがちなテーマとも言えるかもしれないが、細かい描写を省いて会話メインでキャラを見事に成立させ、そこはかとない不気味な謎がつきまとう緊迫感のもとスピーディに展開するストーリーに今更ながら惹きつけられる。2冊目は異世界もの、3冊目は時間テーマとSFのネタやガジェット満載。シリーズ全体を通しての甘酸っぱい味付けもこの年代向けならではでちょっとこそばゆい。
桜子は当時の私の理想の恋人だったなあ。