アカマイ 知られざるインターネットの巨人/小川晃通

小川晃通氏の著書を読むのはこれで三冊目だが、この本も非常に分かりやすく面白かった。コンセプトとして技術者ではない一般人をターゲットにしているということで先の2冊よりもさらに表現に気を使っている感じがする。技術内容に非常に詳しい人が書いているという安心感もある。私が今まで読んだことのある技術参考書の中でこの人の著作はベストと言っても良いかも。会社の若者にも読ませたいと思った。
(逆に、Webサーフィンをして初心者向けインターネット本を探して、そのあまりにいい加減で的外れな解釈を解説しているものを多々見かけてげっそりした。)
うーん、この人にもっと色々と初心者向け技術解説本を書いて欲しい。
この本は、CDNサービスでインターネットインフラの一部と言っても良いくらいのサービス展開をしている「影の巨人」である企業、アカマイを幅広く解説している。その説明をするために必要なインターネットの仕組みについても要領よく説明。インターネットインフラに興味があればこの本はバッチリ的を射ている。
最近「Geekなページ」が更新されていないのだが、どうやらIPv6本の執筆に忙しいようだ。これはバリバリの技術者向け本をコンセプトにしているらしい。クラウドファンディングで資金を集めて活動しているとのことで最低5000円一口で申し込むと、本に名前を載っけてくれて紙の本を一冊くれる、というやり方。それなら一口乗りたいなあ、と思ったら残念ながらもう申し込み期間を過ぎていた。残念。この人の本に協力者として名前が載るなら5000円は安い。次の機会は逃さないようにしたい。
繰り返すが、この人の本はオススメだ。技術に非常に詳しく、それを噛み砕いて分かりやすく説明するセンス、バランス感が秀逸。間違いなし。非常な良書。
それから、今回この本は電子本で買ったのだが技術参考書としては破格の約800円。このくらいの価格でみんな買えるようになったら素晴らしいことだと思った。