ポートとソケットがわかればインターネットがわかる/小川晃道

「インターネットのカタチ」と一緒に買った、あきみち氏の著書。ソケットプログラミングを切り口にしてインターネットの仕組みを解説している。この本も技術解説本というよりどちらかというと読み物に近い感じで「インターネットのカタチ」との類似性を感じる。ソケットプログラミングの章は全体からするとごく一部だし、プログラム本だと誤解すると肩透かしを食うので注意。
この本も今の私には非常に面白かった。
あきみち氏が「おわりに」に書いているのは、「分かりやく技術を紹介することを目指し」ていること。そしてそれは「初心者を理解した気分にさせる本」であって「理解できる本ではない」とのこと。「「初心者に分かりやすい文章」は中上級者にとって逆に分かりにくい」とも言っている。
なるほどそうなのかもしれない。これが分かりやすいと感じた私はちょうど良くこの本のターゲットである「初心者」レベルなのだろう。
この「おわりに」を読むとこの人の文章に対する深い考察が感じられる。とにかく良くできた本だと思う。しっかり深く理解したい人向けには欄外にRFCやその他会合の資料などきっちりした参考資料へのポインタが記されているところも感心だ。この人の本他にもあったら読んでみたい。
良書。