チャンス・オペレーション @仙川Gospel

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シュガーよ、いつの間にこんなバンドに参加してたんじゃー、と気付いたのは チャンスオペレーションが「HIROSHI」をリリースした時の ミュージックマガジンのCDレビューを目にした時だったと記憶している。 シュガー信者の私が行かないわけにはいかん、ということで出かけていった 仙川GOSPELは、入り口が分かりにくい上に中も随分と狭かった。 おまけに客が3, 4人だろうか。お店の人が2人くらいで客席には計5, 6人。。。 いまだに私の"観客少ない史上一位"を守り続けているライブだが、はっきり言って 内容的には最高のランクに属している。


ヒゴヒロシがベースかかえてフロント、シミズジョウが左サイドで電子パッド様のもの (イナビカールっていう名前だと聞いた気がする)、 右サイドにシュガーで後ろにBOYという配置。曲はおそらく「HIROSHI」に収録された ものがメインだったのではないかと思われる。


正直言って私は当時シュガーのセクシャルで原始的な、腰にぐっと来るファンクネスに 魅せられており、ストレートなロックでは何となく期待できないな、というような 変な疑心に囚われていたが、始まって1曲目からもうすっかりそんなことは ふっとんでしまった。かっちょえー。シュガーを見に来たけど皆すんげー良い。 ヒゴヒロシのベースは歌いながらなぜここまで弾ける、と言う感じ。 BOYやシミズのドラムやパーカッションはベースやギターを刹那に刻んで緊迫した 疾走感を叩き出す(BOYのドラムはパワーのあまり2,3回シンバルが外れて転げ落ちた)。 そして、シュガーのギターはハバナで聞かせるフレーズとは趣が全く異なって いたが私の全身を捕らえ頭蓋と共振していた。ある意味ハバナで聞くよりも そのストレートさが鋭くぐっと刺し込まれる感じだ。 ハバナは雑誌などで「良いんだけど、シュガーのギターばかりが目立って バンドとしてはアンバランス」、みたいなことを言われつづけている時である。 たしかにそんな感じも否定できなかったし、そのせいなのか何となくシュガーがギターを 抑えよう抑えようと苦しんでいるような感じも受けたことがある。 この時にはそんなことは微塵も感じさせず、シュガーの強烈な テンションがその音に素直に十二分に乗っていた。私はこのライブに立ち会えて非常に 幸運だったと思っている。。。


当時はまだ東京ロッカーズという言葉も、ミラーズというバンド名も聞いたことないくらいの状態。 とにかくシュガーがギターを弾くなら聞いてみようという視野の狭い突っ走りで 聴きに行ったわけだが、このライブを聞いたおかげでヒゴヒロシ周辺から 70年代の日本のストリート・ロック、パンク黎明期への興味をかきたてられ、世界が 広がって行くことになる。
ちなみにこの時に来ていたお客の一人とちょっと話しをしたが、 その人はこの辺の流れから来ていたある意味正統派のリスナーだった(たしか佐藤さん?お元気ですかー?)


(2003.11.29記)