青葉市子&不失者 @六本木スーパーデラックス

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  • 青葉市子(vo, g)
  • 不失者



私にとっては最近知ってマイブームの青葉市子と、かなり昔からリスペクトしている灰野敬二を久しぶりに聴けるお得な機会。一見両極端に思えるこの2者だが、ブッキングした人のセンスは良いと思う。両者とも音量の違いや表現方法の違いはあれど、その音楽のベクトルは似た方向を向いていると感じる。いろいろな意味でこのライブを聴けて良かった。
最初に青葉市子、次に不失者。
青葉市子はいつものようにしずしずと登場し、静まり返った会場の独特の緊張感の中、淡々と歌い進めた。曲は10曲くらいか。インペリアルスモークタウン、マーズ2027、(青葉曰く、まだ名称が決まっていない曲)、重たい睫毛、マホロボシヤ、MU-MINなど。インペリアルスモークタウンやマーズ2027は変化に富んだ壮大な物語のような楽曲で、始まった早々に青葉市子がまるで近未来の吟遊詩人のように感じられた。重たい睫毛は名曲。心にすっと染み込む美しさ。この曲特に好き。最後のMU-MINは下山(GEZAN)の曲らしいがこれも良かった。
MCは少なめ、二言くらい。4月のVACANTのライブの速報周知、それから、楽屋での灰野との会話の話。元気ですかと聞いたらテンション高い答えが来た(笑)、という話や、いつも優しくしてもらっているという内容。
ファンとしてはちょっと物足りない長さ(1時間くらい?)だったがそれなりに充足感あり。青葉市子の声の静謐さ、透き通った美しさ素晴らしい。


続いて不失者。久しぶりの轟音ライブで耳が死亡。時間は2時間ほど。不失者は灰野敬二のバンドの中ではロック色が強いものだと理解しているがこのメンバーでの不失者もその傾向。ただストレートなロックではなくこのベース、ドラムのリズムはちょっと変化球な印象も受けた。吹き荒れる美しい轟音と静寂。不失者はやはり不失者だった。
私が灰野敬二のステージを見るのはどうやら2008年9月の月見ル君想フでのナスノミツル石橋英子とのトリオ以来。灰野敬二は今年で64歳らしいが、全く衰えを感じさせないライブアクト。すげー。


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