仙波清彦とはにわオールスターズ「気がつけば芸歴50年祭」@EX Theater 六本木

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はにわ隊は何回かライブに行ったが、オールスターズは映像でしか見たことがなかった。25年ぶりというこのライブはむちゃくちゃ楽しくて、一生に一度あるかないかというくらいの貴重な体験となった。

  • 指揮、パーカッション
  • ドラムス
    • SATOKO / 長谷部 徹 / 本田 珠也 / 村上”ポン太” 秀一
  • ベース
  • キーボード
    • 久米 大作 / 近藤達郎 / 沼井 雅之
  • ギター
  • ホーン
  • パーカッション
    • ASA-CHANG / 岡部 洋一 / whacho / 八尋知洋 / Latyr Sy
  • ストリングス
    • 太田 恵資 / 斎藤 ネコ / 高橋香織
  • アコーディオン
  • 邦楽囃子
    • 安倍 真結 / 梅屋 巴 / 田中傳一郎 / 望月 秀幸 / 望月 正浩
  • 邦楽笛
    • 竹井誠 / 福原 寛 / 福原徹彦
  • 三味線
    • 杵屋 五吉郎 / 杵家七三 / 杵屋弥四郎 / 木乃下 真市
  • ボーカル
    • 上野 洋子 / 小川 美潮 / 木津 かおり / 三橋 美香子
  • ゲスト



ネット上で何処からか流れてきたセットリスト。
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開演前のステージ。
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この日は万が一にでも遅刻する事がないよう1時間早く出社して1時間早上がり。六本木で立ち食い蕎麦屋で小腹を満たして準備万端。EXシアターについてカバンとコートと上着をロッカーへ(600円高い!)。
オールスタンディングだと思ったら座席があるらしい事を知ったのはその後、入場を待っている時だった。
500番代で微妙だったが入ってみたら二階席の一番前がまだ空いていた。視界は超良好で何の問題もなし。ラッキー!これならロッカーに荷物預けなくても良かった。。。


座席に座って巨大なひな壇とセッティングされた楽器を見てるだけでもうワクワク。飲み物ももらわず開演を待った。一階のスタンディングスペースも徐々に埋まっていく。


19:00時間ぴったりに開演。ぞろぞろと演者が登場して配置につく。最後に師匠が中央のドラムセットについて演奏開始。オープニングはローホーのラップ。小気味好いリズム、仙波師匠芸歴50年祭であることなど歌詞に織り交ぜて笑いを誘う楽しい一曲。一気に気分上昇。


続いて名曲「茶のみ友達スレスレ」。全員の演奏が圧倒的音圧で迫る。そして小川美潮を筆頭としたボーカル陣がとにかく楽しそう。もうこちらも自然と楽しくなって身体動いちゃう感じ。


その後おもむろに長々とメンバー紹介。なにせゲスト以外で47名のところ仙波師匠が一言ずつエピソード交えながら紹介していくので時間がかかる。20分以上かけたのではないだろうか。師匠らしい毒も含んだ笑いで超面白い。「今ここにいるメンツでスクエア演れる」「ここにいるみんな音楽で飯食ってるってすごいこと」「28年前はシャレでナースと病人のパジャマ姿だったけど、今回は本当の病人か介護されてる人みたい」などいろいろ印象的な発言あり。


メンバー紹介後は、紹介も兼ねた各ボーカルがメインを取る曲を演奏。まずトップは三橋美香子。歌は持ち歌かな?師匠が楽しそうに仕切りと「ひでー歌」と言っていたのだが歌詞が良く聞き取れなかったのがちょい残念。この大人数での演奏なのでボーカルは負けないようにするの大変だ。


続いて上野洋子がメインボーカル。曲はピンクパンサーから、師匠が大好きだというサンバ曲「Meglio Stasera(メッリォ スタセーラ)」。師匠の要望で歌うことになった曲で、上野洋子は全てイタリア語でセクシーにたっぷりと歌い上げた。


三番手は木津かおり。女性は皆ナース服のスカート姿だが、彼女だけは脚を見せるのを強硬に辞退して下はパンツ姿。給食のおばちゃんに見えちゃうと揶揄されていた。曲は自らの持ち歌と思われる民謡。流石の声量で良く通る歌声が見事だった。


次はいよいよ小川美潮かと思ったらここで最初のゲスト。池田有希子が登場。曲ははにわちゃんの名曲「たたみホッペタ」。良い子がハジけて最後は一家離散に至るという歌詞だが悲惨さを感じさせない陽気な歌でいかにもはにわっぽい。楽しかった。


次はインスト。うるさいやつ行きましょうと言うことで、打楽器隊であるカルガモーズがぞろぞろ登場。すでに大人数なところさらに人で埋め尽くされてしまった感じ。曲はウエイトレス。大合奏。終了後カルガモーズはまたぞろぞろと撤収。


次がついに小川美潮メインボーカル。
冒頭のメンバー紹介の時に、今回のオールスターズをやる事にしたのは高橋香織が「今やらないとみんな死んじゃうよ」と言われたからと話していたが、曲紹介時にそれを再度引き合いに出してから、「普段私こう言うこと言わないんですけどね、、、青山純に」と言って始まったのは青山純作曲の小川美潮の超名曲「人と星の間」。師匠の言葉の後に前奏が始まって言葉の意味が分かった瞬間にもう胸いっぱい。こんなん泣く!本当に涙が二筋溢れてきてしまった。涙拭いながら聴いた曲。


気を取り直して次はゲスト。伊藤多喜雄と娘のめぐ留。伊藤多喜雄は仙波師匠より年上らしく先輩風を吹かして?本日公演の御礼の口上を述べる。軽妙なやり取りのあとに始まったのは「南中ソーラン節」。個人的に伊藤多喜雄ただのおっちゃんに見えてそんな魅力を感じないのだが、威勢良く盛り上がるのはさすがだった。


そしてその後登場したのがデーモン閣下。「今日の衣装がパジャマだと知ってついさっき自分の衣装をパジャマっぽく改造したのだ」との事で確かにそれっぽくアレンジされていて感心。デーモン閣下相撲甚句を朗々と歌い上げて、引き続いてシューベルト「魔王」
演奏後のやり取りで師匠曰く「前回はセレナーデを歌ってもらって今回は魔王。なぜかシューベルトだよね。シューベルター!」デーモン閣下「別にシューベルターではないんだけど。この場がシューベルトを呼ぶんだな」。とにかくデーモン閣下らしいオールスターズには欠かせない存在感を遺憾なく発揮。


次はインスト。これもはにわには欠かせない名曲「オレカマ」。打楽器が織りなす複雑怪奇なリズム。師匠が平然とした様子でその合間を軽やかなスティックさばきで駆け抜けていく。カルガモーズも再登場して叩きまくりの大合奏。楽しかった。


そろそろ佳境。ゲストは未唯mie。ド派手な黒の着物姿で艶やかに登場。圧倒的な存在感はデーモン閣下に勝るとも劣らない。すいません私今回のゲスト事前に見たときmieは正直オールスターズには合わないんじゃないかなぁと思っていました。が、どハマり。アレンジした久米大作の凄さもあるが、音頭調の「サウスポー」は最高だったし、ミッションインポッシブルと5拍子と4拍子入り乱れる「ペッパー警部」も最高で、これぞはにわオールスターズだった。さすが日本の元祖トップアイドル。ボーカルの存在感は化け物感さえあり。脱帽。
ここ何年かやっているというピンクレディ・ナイトというイベントに俄然行ってみたくなった。


ついに最後のゲスト登場。ABEDON奥田民生。もじゃもじゃパーマにサングラスでパジャマという珍妙さ。師匠曰く「この曲は久米大作に相談したら、こんなんで良いんじゃない?と軽い感じでオファーした曲」。ただこのオファーとは関係なく実は彼らは以前演ったことがあるそうだ。奥田民生曰く、「コレやるにはポケットが必要なんだけど、このパジャマにはポケットが無い!」。
なんのことかと思ったが、三味線が特徴のある前奏を奏で始めて観客は大爆笑。クリスタルキングの「大都会」。二人のボーカリストとしての力量をまざまざと見せつける圧巻の歌。和楽器演奏との妙。素晴らしかった。
そしてもう一曲はお馴染み「大迷惑」。演奏が始まった瞬間に1階席の観客が座っていられず一気に総立ち。すごいエネルギーがみなぎった演奏と歌だった。


そして最後。師匠が控えめに「ここは小川美潮さんに仕切っていただいて」。やはりこれは欠かせない名曲「水」。生で聴くのは初めてでは無いがオールスターズで生で聴けると言うのは本当に嬉しい。すごい迫力。ほぼ全員のソロ回しもありラストらしい選曲。大曲にもかかわらずあっという間に終わってしまった気分。素晴らしかった!


そして終わると師匠が「じゃあアンコールやります」「この人数だから引っ込む時間ない」「もう俺はビール飲みたいんだ」と言い放って最後の最後は「あいみん」。ゲストもカルガモーズも全員舞台上へ勢揃い。ノリと一体感がものすごくて聴いていて自然と身体が動き出しちゃう。楽しくて楽しくて、楽しすぎたこのステージが終わってしまうのが寂しくて切なくて、表面は楽しげに、でも心の中では涙を流しながら大迫力の最後の演奏にただただ身を任せていた。


曲が終わってしまってからもしばらくその場で虚脱していた。楽しかった。そして切なかった。本当に一生に一度巡り会えるかどうかというレベルのライブだった。これだけのメンバーを集められる仙波清彦の人徳に改めて尊敬の念を表する。いつかまた、是非やってほしい。絶対行くから。
そして今回のライブを是非映像作品として世に出して欲しい。スポンサーさん付いて下さい、ちゃんと買うから!


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