- イーヨ(vo)、中島さち子(pf)
不破大輔は体調不良で欠席、イーヨ、中島によるデュオとなった。引き合せ役の不破不在のせいか、はじめは何となく堅い空気を感じたけれど、いつの間にかそれは雲散霧消。堅さが抜け落ち、新鮮で心地よい微妙な緊張感が漂うステージになった。
中島さち子は以前何かの対バンでたまたまZADI（←ほんとうはもっと意味不明な記号列）を見たことがありその時は即興中心、非常にパワフルな音楽という印象だったので、不破、中島で今日はハードコアな感じで行くのか？と思っていたら、違った。細くて強い絹糸みたいにイーヨのうたを滑らかに絡めとって繊細な模様を描く感じ。小さい音量の中での強弱の付け方が繊細、絶妙でセンスの良い密度感を作り出した。速いパッセージの時には盤上全体を縦横無尽にころころ転がるように指が動くのを見るのも楽しい。
2部構成でいつものようにたっぷりな感じ。出だしは最近お決まりの(たぶん)即興で短く。その後はシャポウなどおなじみ曲に続いていく。MCは少なめで淡々と進んだ。後半、中島の曲を2曲ほどイーヨが歌った。１曲めは「みつばち」、もう１曲は曲名不明。イーヨ曰く、「発表会のような気持ち」だったという「みつばち」は出色の出来。かなり難しいメロディを歌いきった。もう１曲もゆったりとした綺麗な曲。これらは是非またやってほしい。
今回のイーヨの歌は全体的にちょっといつもよりウィスパーな感じ。迷子になった子供の心もとなさというか、切なさというか、何かを求めて得られない悲しさのようなものを感じた。
そういえば、何回聞いても何と言っているか分からなかったカバー曲の曲名、判明した。
Ponta de Areia (砂の岬)。
楽譜もらっちゃった。家宝
