それまで活発に活動を続けて来たのに昨年12月以降ぱったりやらなくなってしまったイーヨの久しぶりのライブ。仕事が詰まっていてとても行けない状況だったのだが、もしかしてこれが最後の機会になってしまうのかも？という危機感もあって無理矢理下北沢へ。何のアナウンスもないままほぼ１年ぶりのライブだったが、登場したイーヨは特に近況を語ることもなく淡々と２ステージ歌いすすめた。曲はいままでに歌ったことがあるものだけだったと思うが、最近その傾向が強くなっていた、曲の冒頭はインプロから入る、というパターンが多かった。それだけでなくアレンジや歌い方も微妙に、または大胆に変えていて、単にインプロ入れるだけでなく今回のために緻密に構成を変えてきたと思われる曲もあった。ライブ全体としてはエントロピーが増大している印象と、それなのに不思議な統一感も感じられ、今までとはまたひとつ違う次元へ突入したという気がした。idiotでも数多くライブをやっている内橋のギターも相変わらず素晴らしかった。ラークやクロードラパン、アウビイといった名曲が私の心にあらためて滲み込んだ。最後の最後、アンコールはmy favorite things。良かった。またこのライブを聞くことができて本当に良かった。でもこれで終わりにしないで欲しい。終演後、外に出るとお見送りのご本人が居たのでまたライブやってね、と言ったのだけど、明確な応えはなくちょっと困った表情だった気がする。何か事情はあるのだろうが活動をやめてしまうのではなく今回のようにたまにでも良い、元気な姿を見せてほしい。
