「くらやみの速さはどれくらい/エリザベス・ムーン作/小尾芙佐訳」

自閉症が治療可能になった近未来の話。「アルジャーノンに花束を」が引き合いに出されるのは避けられないが、二番煎じの一言で片付けようとする人がいたらそれは大間違い。作者が自閉症について非常に詳しく調査、検討し、想像力を働かせて見事に構築した作品だ。自閉症者の視点で世界を見た気分。