GWの収穫「サスキア・オルドウォーバース展」など

GWはあちこち混むのであまり遠出しないが、逆に近場、都内のちょっと良いホテルに宿泊してみたりすることが多い。今年はグランドハイアット東京に連泊して六本木ヒルズを散策。森ビルのスカイデッキに登ったり森美術館を眺めたり。なるほど一つの街のようになっていて散歩するだけで気分が良いところだ。
森美術館では「英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展」というのをやっていて、これがなかなか面白かった。というか現代美術作品なので基本的に訳わからんのだが、何だか分からないものを見て自分の脳が普段と異なる信号処理をして普段味わうことのない気分に浸れるというところが面白い。音声ガイド装置を入り口で貸してくれるので借りることをお勧めする。インパクトとしては何と言ってもデミアン・ハーストの《母と子、分断されて》という作品。親子の牛をまっぷたつに切断してホルマリン漬けにしたものが展示してありめっちゃ不気味。。。


それからこの「ターナー賞の歩み展」とは関係なく同じフロアに2点出展されていた「サスキア・オルドウォーバース展」が今回私にとっては大収穫だった。サスキア・オルドウォーバースはロンドンを拠点に活動しているオランダ人女性アーティスト。ここで展示されていたのは「プラシーボ(偽薬)」と「キロワット・ダイナスティ」という2作品でそれぞれが6分程度の映像作品。特に「プラシーボ」はまずその映像に目が釘付け状態だった。解説によれば一切CGを使っていないそうだが、見たことのない超現実的で美しい映像が続く。同時に女性による奇妙な独白が行われる。映像とストーリーが相俟ってとにかく不可思議で呪術的・悪夢的な世界に引きずり込まれる。1作品平均1〜2年ペースで今までに9作品しかない寡黙な映像作家ということだ。これは是非全作品を見てみたい。調べたら同時期開催でオオタファインアーツというところで新作「デッドライン」を見ることができるようだ。絶対行く。DVD化されてたら買う。

http://www.mori.art.museum/contents/mamproject/project007/index.html
http://www.tokyoartbeat.com/event/2008/EDCC