「影が行く ホラーSF傑作選/P・K・ディック、D・R・クーンツ他 中村融 編訳」

読み始めたらいくつかの作品は微かに読んだ記憶があったので再読だったらしい。でもそれは私の記憶力の問題であってこの短編集がつまらなくて印象が薄いというわけではない。むしろ非常に面白いし編者のセンスの良さを感じる。この中で私が好きなのはキース・ロバーツ「ボールターのカナリア」、ジョン・W・キャンベル・ジュニア「影が行く」、フィリップ・K・ディック「探検隊帰る」、クラーク・アシュトン・スミス「ヨー・ヴォムビスの地下墓地」、ジャック・ヴァンス「五つの月が昇るとき」、アルフレッド・ベスター「ごきげん目盛り」。ブライアン・W・オールディスの「唾の木」も印象深い。C・A・スミスは日本オリジナル短編集「イルーニュの巨人」を図書館で見つけて読んでいてかなり好み。ただこいつも絶版で今は簡単に入手できないのが悲しいところ。

影が行く―ホラーSF傑作選 (創元SF文庫)

影が行く―ホラーSF傑作選 (創元SF文庫)