星の王子さま/サン=テグジュペリ作、内藤濯訳

星の王子さまってどんな話だっけ?と急に気になって読んでみた。訳者が違ういろいろな版があるが、日本に広まるきっかけともなった由緒正しい内藤濯氏の歴史的名訳の岩波文庫版を選択。
訳者あとがきや訳者の息子である内藤初穂による備忘録がこの物語のさまざまな背景を浮き彫りにしてくれて非常に参考になる。
今読むと子供向けとは全く思えない内容だなと思った。子供が読んでももちろん良いのだが大人になったら是非もう一度読み返してもらいたい。不思議な読後感が今回の方がより一層深いのはなぜだろう。

星の王子さま (岩波文庫)

星の王子さま (岩波文庫)

CD整理

久しぶりに実家へ行き残してきたCD棚をちょっと整理。重要なものは大体持ち出しておいたはずで、イマイチ聞かないままになってたような物ばかり100枚くらいかな。でも改めて見てみると捨てたりするのもなんだし正直悩ましい。
ジャニス・ジョップリン、エンジェリン・ヘヴィ・シロップ、ZENIGEVA、ACOChara 、BAHO、パッセンジャーズフリクション灰野敬二、Ikue Moriなどなど。ジャンルもなにもごっちゃごちゃ(笑)。
何枚か救出して持ち帰り残りは結局ダンボールに詰めて後日また送ってもらうことに。

ゴランノスポン/町田康

町田康を読むのは4、5冊目か。
文体から溢れ出る内なるとエネルギーと圧力の高さは相変わらずやなあと思う。歌ってる時と本質変わらんというのが正直なところ。圧倒される。
ゴランノスポンという語感良いね。解説見て初めて何のことか分かったけど、全く意味ない言葉でも良かった。というか、ゴランスノポンだと思ってたし。。。


ゴランノスポン (新潮文庫)

ゴランノスポン (新潮文庫)

  • 作者:町田 康
  • 発売日: 2013/11/28
  • メディア: 文庫

ピーター・ウィアー監督「ピクニック・アット・ハンギングロック」

以前から観たかった映画。
DVDは廃盤でネット上ではプレミア価格で取引されているので手を出さずにいたのだが、コロナの10万円給付金も出たしこのお金は消費に回さないとね、と理屈をつけてポチってしまった。
1900年頃に実際に起きた女学園の生徒失踪事件に基づいているという。とにかく映像が美しく印象的。戸外の映像が多いが光が眩しく輝き全体的に光のもやがかかって柔らかく幻想的なタッチになっている。まるで絞り開放で撮ったAngenieuxの写真のよう。いわば印象派絵画のような映像だと感じた。反対に暗闇とそこに浮かぶランプの光といった映像もまた艶やかな闇を描き出している。そんな映像美の中でビクトリア調の白い服を着た美少女が見せる動きも一つ一つが全て心に訴えかけてくる。
ハンギングロックの触れてはいけない神の領域の恐ろしさと、この美しい映像が相まってなんとも言えない不安感と魅力を醸している。ストーリー的に面白いってものでもないので評価は分かれるのは理解できるが私は好き。買ってよかった。