フリオ・コルタサル/奪われた家/天国の扉 動物寓話集

コルタサルの短編集。解説によると本作が「真の処女作」だそうだ。
他のアンソロジーなどで最初の2篇「奪われた家」「パリへ発った夫人への手紙」は既読。両方とも奇妙で心が不安になる不思議な味わいで大好きな作品。訳者が違うと作品の印象が変わる事があるが、「奪われた家」は印象変わらないが「パリへ発った、、、」の方は岩波文庫版の方がすっきりしていて良かった感じがする。
その他は初めて読む。「遥かな女 アリーナ・レエスの日記」「バス」「偏頭痛」「キルケ」「天国の扉」「動物寓話集」。
遥かな女はもしかして読んだかもしれない。
この中で印象的なのは「偏頭痛」。マンクスピアの飼育の話。全然関係もないしジャンルも違うけど読みながらコードウェイナー・スミスの「ママ・ヒットンのかわゆいキットンたち」を思い出していた。
コルタサルは不思議と惹きつけられる作家で一時期いろいろ探して読んだが、また探してみようかと思う。
あと、解説が充実していて非常に面白かった。


と書いて過去の記事検索してみたら、国書刊行会の「遠い女 ラテンアメリカ短編集」で、上記の5作は読んでいたらしい。15年前の事なのでやむなし、ということにしておこう。