白銀の墟玄の月／小野不由美 - キップル&フレニール年代記

十二国記最新巻。シリーズとしては6年ぶり、長編としては18年ぶりということで期待大。久しぶりに書いてくれたと思ったらボリュームも長大で４分冊。気になっていた泰国の話の続きがついに明らかに。
まず18年ぶりの長編ということで、これまでの作風から変質しているのではないか、つまらなくなっているのではないか、という不安があったのだが、全くそんなことはなかった。小野不由美恐るべし。
李斎を中心とし行方不明の泰王を探し求める話と、魂を抜かれた傀儡に囲まれ動きを見せない偽王や私利私欲に塗れた官僚が牛耳る不気味な宮廷での泰麒の権謀術策の話、その他の話が視点を変えて並行的に進む。泰王は生きているのか死んでいるのか。4冊もある大長編なのに全く飽きることなくほぼ一気に読んでしまった。読み終わった瞬間に、それまで無意識に緊張していたのが解けたように、ふーっと長く息を吐いた。超面白かった。
小野不由美、十二国記の次作をちゃんと書いてね。泰はちょっと話が区切れたから、今度は陽子の話希望。