約6年ぶりの再読。十二国記の第8巻。短編集。
「丕緒の鳥」。慶国に陽子が新王として即位する際に行われる儀式、大射。この大射の儀式を司る部署の男・丕緒の話。架空の世界の架空の儀式なのに緻密な描写であたかも現実のもののように思えるこの筆力とイマジネーション力は小野不由美さすが。
「落照の獄」は十二国記の世界での極悪犯罪者の死刑のあり方の苦悩。
「青条の蘭」は国土に広がる樹木の枯死病を救うために奔走する男の話。
「風信」は、前の景王舒覚が行った「国からすべての女を追い出す布告」に翻弄された少女の物語。長編などの中で言及のあったこの布告がどのようなものであったのかが語られ、十二国のリアリティをより一層補強する。
短編でも本当に面白い。素晴らしいな十二国記。
ということで、ついに既刊の十二国記シリーズを全部読み返した。これで最新巻を読むことができる!!楽しみ!!!
- 作者:小野 不由美
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/06/26
- メディア: 文庫