これで4冊目に突入した年間ベストのアンソロジー。幅広くて柔軟な選択ポリシーで、何が出てくるか楽しみにしている。今回もかなり面白く読んだ。
円城塔の作品は、このブログタイトルにも関係あるボルヘスへのオマージュ。読んでいて「バベルの図書館」がすぐに連想された。うーん、面白いけどやっぱり「バベルの図書館」の異様な説得力は出せていないか。着想は面白い。敢えて挑んだ感じか。
「皆勤の徒」はなかなかの迫力で印象的。造語だらけの小説は、その造語のセンスがいまいちで鼻につくと白けてしまいがちで好きではない場合が多いのだが、これはそんなことはなく、異様な未来像をうまく創造している感じ。
- 冲方丁「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」
- 小川一水「アリスマ王の愛した魔物」
- 上田早夕里「完全なる脳髄」
- 津原泰水「五色の舟」
- 白井弓子「成人式」
- 月村了衛「機龍警察 火宅」
- 瀬名秀明「光の栞」
- 円城塔「エデン逆行」
- 伴名練「ゼロ年代の臨界点」
- 谷甲州「メデューサ複合体」
- 山本弘「アリスへの決別」
- 長谷敏司「allo, toi, toi」
- 眉村卓「じきに、こけるよ」
- 酉島伝法「皆勤の徒」(第2回創元SF短編賞受賞作)
- 作者: 大森望,日下三蔵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/07/27
- メディア: 文庫
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