「結晶銀河 年刊日本SF傑作選/大森望、日下三蔵編」

これで4冊目に突入した年間ベストのアンソロジー。幅広くて柔軟な選択ポリシーで、何が出てくるか楽しみにしている。今回もかなり面白く読んだ。
円城塔の作品は、このブログタイトルにも関係あるボルヘスへのオマージュ。読んでいて「バベルの図書館」がすぐに連想された。うーん、面白いけどやっぱり「バベルの図書館」の異様な説得力は出せていないか。着想は面白い。敢えて挑んだ感じか。
「皆勤の徒」はなかなかの迫力で印象的。造語だらけの小説は、その造語のセンスがいまいちで鼻につくと白けてしまいがちで好きではない場合が多いのだが、これはそんなことはなく、異様な未来像をうまく創造している感じ。

結晶銀河 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

結晶銀河 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)