「ミツバチのささやき」@下高井戸シネマ

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昨年渋谷ユーロスペースでの上映を見逃して悲しかった、ビクトル・エリセ監督の「ミツバチのささやき」を観に行く。学生時代に1度観ただけだが、以来、人に「好きな映画は?」と聴かれたらまずこれが必ず出てくる、私にとっては暗闇に燦然と輝く孤高の星のような大切な作品。15,6年振りに観ても印象は変わらず。当時は良く分からなかったいくつかのシーンの意味がすっと理解できたような気がした。観に来る人々はこの作品をこよなく愛しているに違いない、鑑賞マナーも非常に良かった。
DVDを買いたい気持ちはあるのだが、いつでも観られるという環境になることで作品の持つ印象を薄めてしまう気がしてなかなか踏み切れない。まあ、あとDVD化したときの映像品質の話があって、この繊細な影と光の世界を再現出来ているかが一番気になるところ。長らく廃盤で入手困難、かつ暗すぎて評判が悪かった旧国内版(東北新社版)とは別に、今は入手できる紀伊國屋書店版があるのだが、いくらレビューを見ても今回これがどの程度納得行くものか分からない。これ以前は米国クライテリオン版の評価が最も高そうで、比較サイトの画像を見ても確かに私の好みはクライテリオン版だ。
いまどき動画サイトとかに断片が転がってたりするけど、品質の悪い映像・音響でこの作品を見ちゃった人には同情する。同情された方は何のことやら、勝手に同情すんな、という話だろうが。
逆にデジタルリマスターで綺麗になったものを見ていない私が駄目出しされるべきなのかもしれない。(クライテリオンのWebサンプルを観ると超美しい。。。)
悩ましい。。。