「グアテマラ伝説集/ミゲル・アンヘル・アストゥリアス著/牛島信明訳」

ここ数年のマイブーム、ラテンアメリカ文学の流れで手に取った。
アストゥリアスの著作は初めて読んだのだが、、、すごいぞこの本!!「本ってこういうのもアリなんだ!」と感じたことが私の読書人生の中で数回あったけど、この作品は明らかにその一つとなった。
マヤ文明の神話・伝承を題材にしたということらしいが、この際題材はあまり関係ないんじゃなかろうか。結局なにを言っているか分からない文章が多くて読み進むのに時間がかかった。ストーリーとしても意味が理解できたものはほとんど無いのだけれど、でもすごい面白いのだ。原始宗教観に満ちた混沌とした世界で、その時代の人間が感じたままに書いたのではないかと想像させられる。脈動する大地と空を翔る神。神秘の世界が濃厚に立ち昇って来てもう圧倒されっぱなし。
いやはや、もう何ていったらよいのか分からないので表紙の文章を引用させてもらいましょう。やっぱり文章のプロはうまいこと書くね。

マヤの神話、インディオ世界への深い共感と愛惜をこめて書き上げられた、グアテマラノーベル賞作家アストゥリアス(1899-1974)による《魔術的リアリズム》の傑作。
(中略)
古代マヤ、植民地時代の信仰と伝説が力強く痙攣する蠱惑的な夢の精髄。

そうです。こんな感じなんです。
そして鸚哥が妙に可愛い。クワック?

グアテマラ伝説集 (岩波文庫)

グアテマラ伝説集 (岩波文庫)