イーヨ・イディオット(内橋部隊)(2nd Album release)/今堀恒雄+ワガン・ンジャエ・ローズ+外山明 @吉祥寺Manda-La2

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遅れていったのでワガン・ンジャエ・ローズの演奏は途中からしか聴けなかった。中央にワガン、左に今堀、右に外山。sabarというのはセネガルの太鼓およびダンスの名称らしい。サバールをネットで調べてみると、使われる太鼓にはいくつも種類があるようで、ワガンが足に挟んでごついキセルみたいな棒で叩いていたのが「ンデール」か「ブンブン」だと思われる。非常に抜けの良い乾いた音でコカカカッ!コッ!というような音がする。超絶技巧なソロを取るような瞬間は無かったがド派手な音で存在感は抜群。あとはたまにトーキングドラムを使用。ピッチの変化が華やかさを添える。この3人の組み合わせで奏でられる音楽はめちゃアフリカンって感じでもなく無国籍でにぎやかな印象だった。私的にはやっぱり外山氏のドラムに目が吸い寄せられてしまったけど。


イーヨ・イディオットは2ndアルバム「メルティッド・トラジディーズ」レコ発ライブ。
いや、めでたい。前作より約1年半ぶりのリリース。もう少し待たされると思っていたので単純に嬉しい。イーヨのMCによれば、楽器の音録りは全部1日で行い、その後歌入れとミックスなどをのんびりとやっていたとのこと。踊りながら作業をしたという外山氏の姿を想像して笑ってしまった。
ライブはこのアルバムと同じ内橋部隊で行われた。イーヨのライブはステージで何が起きるか分からない。曲順が変わったりするのはいつものこと。でも今回はそういう意味ではおとなしめだったか。一時期しょっちゅう客席に出てきて歌っていたイーヨだがここんとこ出てこない(客が増えてきたのでできないということかもしれんね)。今回は代わりというかなんつうか「内橋さんのギターと歌だけでやりたい」というイーヨ発言に拗ねた体を装った外山氏がステージ上から去ってしまい、楽屋の壁や客席後方の鉄柱を叩いてむりやり参加したのが楽しかった(楽屋の壁の微妙な音程差をちゃんと使い分けて叩くところが流石)。ステージ上の人間皆がイーヨのライブ独特の雰囲気を醸し出していて、それもイーヨの魅力なんだよなぁと思ったりする。ということで本日も癒して頂いた。
ラーク、シシリィボゥから始まって新曲が1曲だったかな。最後お決まりのクラックを、1stステージの今堀、ワガンをゲストに全員で演奏。


なんとなくいつもに比べてやや色が薄めのライブという気がしたが、それは会場に2,3箇所いまいちなマナーの客が居て演奏に集中力を欠いたせいか。聴く方の私の精神のせいかもしれない。いままであまりこういう客層は居なかったのになんでだろう。興味のない人は騒ぐよりは帰ってくれた方がなんぼかマシなんだけどなぁ。


ライブ終了後、ノーチラスレコードのアルバム2枚とも購入。

  • イーヨ・イディオット/メルティッド・トラジディーズ(NAUTILUS RECORDS NR-02)
  • Swirl Word II(NAUTILUS RECORDS NR-01)

イーヨが購入者にサインのサービス。この歳で気恥ずかしいが折角なので頂いた。
握手なんぞもしてもらってわーいとか言ってるオレいったい何?みたいな?
でもほんと、これからもちゃんと活動続けて欲しい。


そうそう、次のイーヨ・イディオットのライブは対バンが多いが、山本精一や山本久人、遠藤ミチロウといった早々たるメンツだ。これまでも対バンのメンバーをいつの間にか取り込んできたイーヨ・イディオットである。是非ここで山本精一には開眼して頂いて、イーヨ波止場とかやってくれんかの。羅針盤的いい歌アプローチはイーヨと周波数が近くてかえって不協和音になりそうなのであえてボア/想い出系のめくるめく世界へ。ノイズ+ハイテンションロックの嵐の上でイーヨが淡々と歌うという組み合わせの妙で新境地開拓を目指せ!MOST的パンクコンセプトでも可。良く考えたら山本精一、山本久人と茶谷雅之でミニMOSTになるじゃないか!!


2007年8月11日(土)@下北沢BASEMENT BAR