「<出雲>という思想 近代日本の抹殺された神々/原武史」(講談社学術文庫)

図書館で何となく手に取ってきた本。<出雲>に関する研究書とのことだがこれがなかなかスリリングで面白かった。
アマテラスオホミカミを主宰神とする伊勢神宮系と、オホクニヌシを主宰神とする出雲大社系、大きく2つの流れの神社、神道があるという。一応理系の道を歩んできた私は古事記日本書紀なんて中身かけらも読んだことがないので日本の古代神話には疎いのだ。書いてあること全て新鮮な驚きで考えさせられてしまった。特に第二部の大宮氷川神社の話は面白い。埼玉県庁がなぜ当時規模も小さく交通の便も悪かった浦和になったのか、氷川神社が出雲系神社である事実と絡めて分析しており、否が応でもいろいろな想像を膨らませられてしまう。マイブームになりそうな予感。

<出雲>という思想 (講談社学術文庫)

<出雲>という思想 (講談社学術文庫)