アレックス・ウィンター監督「ZAPPA」@シネマート新宿
コロナ患者それほど減ったわけではないがコロナ禍以後初の行動制限がないGWということで世の中ちょっと緩んだ雰囲気。これで人出が増えたらまたGW後に患者が増えそうな気がしてならないが、私もせっかくのGW気分を味わいたいということでしっかり感染対策をしつつシネマート新宿にて映画鑑賞。フランク・ザッパの生涯を描くドキュメンタリーを観た。
優河 with 魔法バンド 「言葉のない夜に」リリースツアー @表参道WALL&WALL
コロナ第6波のピークは超えたが感染者数はなかなか下がらないままの状態の中、新譜のリリースツアー最終日のライブに生参加。オンラインライブはコロナ中も見て来たが現地で間近に優河の歌声を聞くのはコロナ前の吉祥寺キチムでなんと2年4ヶ月ぶり。久しぶりに優河の歌を全身に浴びたが期待通りの素晴らしいステージだった。
ドラマの主題歌で一気に注目を浴びている中でしかも新譜リリースのツアー最終日ということでめでたい感満載。会場はオールスタンディングで200人弱くらい?コロナ下でこれだけ密な感じはちょっと腰が引ける感じもしないではないが皆マスクはしっかりしていた。
曲はもちろん新譜メインだが所々に過去の定番曲を織り込む形で19:30から21:00まで。最後の方に歌ったドラマ主題歌「灯火」は出だしをトチる貴重な?シーンもあったけど、優河のふうわりとした人柄と心に響く歌に終始感動させられた。行けて本当に良かった。
本来このステージがツアーファイナルだったがMCにて東京で二日追加公演が決定したとの発表あり。
クトゥルー 9/H.P.ラヴクラフト他
街角の書店 (18の奇妙な物語)/中村融・編
<奇妙な味>とは江戸川乱歩の造語だそうだ。言い得て妙。私が大好きなジャンルはまさにこれ。
編者の中村融のあとがき冒頭にアンソロジーを編むことに関して記載されている。
「作品の選び方は大事だが、作品の並べ方はそれ以上に大事である」
あとがきによると編者がこのアンソロジーを編んだのは「偏愛する三篇の小説を復活させたかったから」であり、その小説とは「肥満翼賛クラブ」「お告げ」「街角の書店」。傾向の異なるこれらをうまく共存させるために「グラデーションのような配列」を考えてこの並びにしたとのこと。
このアンソロジーは確かに<奇妙な味>で一つのコンセプトだがそれぞれの味わいは微妙に異なっていて飽きさせない。見事なグラデーションだと思う。
個人的にはフリッツ・ライバーの「アダムズ氏の邪悪の園」が質・量ともに読み応えがあった。短いながら印象的なのは編者が偏愛する3篇がいろいろな意味で該当するのと、あとは「M街七番地の出来事」「大瀑布」が良かった。ノーベル賞作家スタインベックが風船ガムについてこんな話を書くとは、という驚きもあり。
中村融の編んだ他のアンソロジーを読んで見たくなった。
- ジョン・アンソニー・ウェスト「肥満翼賛クラブ」
- イーヴリン・ウォー「ディケンズを愛した男」
- シャーリイ・ジャクスン「お告げ」
- ジャック・ヴァンス「アルフレッドの方舟」
- ハーヴィー・ジェイコブズ「おもちゃ」
- ミルドレッド・クリンガーマン「赤い心臓と青い薔薇」
- ロナルド・ダンカン「姉の夫」
- ケイト・ウィルヘルム「遭遇」
- カート・クラーク「ナックルズ」
- テリー・カー「試金石」
- チャド・オリヴァー「お隣の男の子」
- フレドリック・ブラウン「古屋敷」
- ジョン・スタインベック「M街七番地の出来事」
- ロジャー・ゼラズニイ「ボルジアの手」
- フリッツ・ライバー「アダムズ氏の邪悪の園」
- ハリー・ハリスン「大瀑布」
- ブリット・シュヴァイツァー「旅の途中で」
- ネルスン・ボンド「街角の書店」
金融探偵/池井戸潤
失業中の元銀行員・大原次郎が就職活動に苦しむ中でたまたま受けたいろいろな相談を解決していく短編集。バリエーションに富んだ内容で感心。非常に面白く読んだ。
この中の「眼」という話は、角膜移植がテーマなのだが絶対以前読んだことがあるプロットで、同じ話だったのか似た別の話だったのかが気になっている。