なれる!SE3 失敗しない?提案活動/夏海公司

なれる!SEシリーズ第3弾。
今回のテーマは提案活動。とある企業の構築案件のRFPに対して、弱小企業に属する主人公が、普通に考えたら敵うはずもない巨大企業との受注競争を繰り広げる。ディテールは現実世界そのものに限りなく近いのに、これだけわくわくさせる展開に持っていけるのが素晴らしい。一気に読まされてしまった。痛快。

這いよれ!ニャル子さん9/逢空万太

ニャル子シリーズ第9弾。作者曰く「劇場版的なノリで書いた」との事で確かにちょっといつもとは趣向を変えた感じ。何者かが過去に干渉してニャル子達が存在しない世界へ変質してしまうという劇的な導入。久しぶりにこのシリーズで「本を読んだ」感を味わった気持ち。毎回このくらいのインパクトが欲しいな。面白かった。

這いよれ! ニャル子さん 9 (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん 9 (GA文庫)

日本以外全部沈没/筒井康隆

筒井康隆の1962年から1976年にかけて書かれた短編集。眼を見張るアイディアと風刺の効いたストーリー、狂騒的で高いテンションの文体、読みやすさ、全てにおいて次元の違う凄さを感じる作家だ。なかなか古い作品群だがとにかく面白い。
日本以外全部沈没」「あるいは酒でいっぱいの海」「ヒノマル酒場」「新宿祭」「農協月へ行く」などが特に筒井康隆っぽくて好き。
筒井康隆ノーベル文学賞レベルだと思ってるんだけどどうなの?

日本以外全部沈没―パニック短篇集 (角川文庫)

日本以外全部沈没―パニック短篇集 (角川文庫)

夏と花火と私の死体/乙一

乙一のデビュー作。17歳でこれを書いたという事を知って驚愕。死体の一人称で書かれているのも不思議な感触だしストーリーの構成も良くできている。印象的な作品。

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

なれる!SE2 基礎から学ぶ?運用構築/夏海公司

なれる!SEシリーズ第2弾。今回は構築チームと運用チームの構造的軋轢を背景にストーリーが構成されていて、これも自分の仕事の現場あるあるが満載。これをラブコメ風に上手く仕上げる作者はなかなか素晴らしいと感じた。新キャラも個性的だしこの先の展開が非常に楽しみ。

這いよれ!ニャル子さん8/逢空万太

ニャル子さんシリーズ第8弾。
以前の話で出てきてたこ焼き屋になったルーヒーが再登場。種族間抗争を超えた想いを胸に主人公達の学校へ教育実習生としてやってくる。

這いよれ! ニャル子さん 8 (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん 8 (GA文庫)

キャロリング/有川浩

子供の頃の家庭環境に問題があって心に傷を持つ主人公が、とある子供の両親の離婚を避けるために奔走し事件に巻き込まれていく。シリアスになり過ぎずゆる過ぎず、気持ちの良い感じで話が進んで読みやすい。他人の問題を解決する話しと、その中で主人公自身の成長という大きく二つのテーマが描かれる。面白かった。

キャロリング (幻冬舎文庫)

キャロリング (幻冬舎文庫)